2015-01-01から1年間の記事一覧

現実の罠

数値目標というものは、確かに尻を叩く効果がある反面、ブレークスルーを阻害する要素がある。人間には、数値目標を目の前にして、奮い立つ面と、萎える面の2つがある。経営の要諦は、具体的な目標と、抽象的な目的をどう使い分けるかだが、前者には性悪説…

|NHKが裁判で「完敗」

「テレビがあれば受信料の支払い義務は生じる」主張は、法律的には「テレビがある人は受信料契約を結ばなくてはいけない」ということで、これは明らかに「契約の強要」であり民法的に違法。しごくまっとうな判決。 NHKが裁判で「完敗」 http://www.nikkan…

「火花」を読まずして語る又吉評

以前、若いお笑い芸人を描いたマンガがあったが、なんとも苦しかったところは、劇中で出てくるネタがどうにもつまらなかったところだ。 又吉氏は本職だから劇中に出てくるネタもおそらく面白いのだろう(載っていれば)。これは時代劇で言えば、「見せ場」で…

価値を知るには

その価値の高さにおいて「子育て」に釣り合うほどの仕事はこの世にはそう無いと自分は考えている。しかしこの極めて意義深い仕事をしている人めいめいが、自分がしていることの価値をちゃんと識っているとは限らない。価値を知らない、あるいは価値を見失う…

反知性主義について

先日聴いた佐藤優氏の講演によると、「反知性主義」とは、もともとはキリスト教の神学論争における一つの立場であり、聖書の語句や聖者のふるまいをを精緻に論理解析する「知性主義」に対して、そんな頭でっかちな屁理屈よりも、個人の信仰心の方がよほど大…

吉田松陰の「留魂録」

吉田松陰は二十九歳で世を去ったが、当時も今も29年間という時間の物理的な長さは同じはずで、その中で人間が達しうる心身の成熟度合いも、かの時代も今の世も、さほどの差は無いのではなかろうか。幕末が、現代と比較してかなり激しい時代であったことは…

真らしき嘘、嘘らしき真

有名な言葉だがよく意味が解かっていない言葉が自分にはけっこうあって、その一つが徳川家康の「真らしき嘘はつくとも、嘘らしき真を語るべからず」という言葉だ。 これを小林秀雄は「人生には嘘とか真とか考えられたものがある訳ではない。嘘らしい言い方と…

「普通の国」への堕落

集団的自衛権を行使する「普通の国」たる韓国は、アメリカのベトナム戦争に付き合って5千人の死者を出した。それは「国を守るための尊い犠牲」だったのだろうか、「属国が強いられた大量犬死」だったのだろうか。「解釈の変更」が荒唐無稽なことは論を待た…

自分も含んだ社会を俯瞰的に観る

スシ詰めの電車が駅に着き、さらに人の波が車内に押し寄せようとしたとき、「何だよ、こんな満員電車に乗ってくるんじゃないよ」というつぶやきが自分の後ろの方から聞こえてきた。その人の人生観は、オフィシャルな場での言説より、プライベートでの片言隻…

教養とは何か

「教養」を論じる人は、「自分はそれを持っている」という無言の宣言をしているように思われがちだが、そんなことはない。量の多寡や、質の高低こそあれ、教養は誰しもが備え持っているものであり、誰でもそれを手がかりして論じることはできる。では教養と…

見えない化

電車の中、スマートフォンで、「リコントドケ」はそこで手に入るかと問い合わせている女性がいた。彼女の手首から腕にかけて、長い絆創膏がたくさん貼ってあった。 なにも電車の中からそんな問い合わせをしなくてもよさそうなものだが、きっとだれかに聞いて…

見慣れた、ありふれた物ごとや風景ほど

見慣れた、ありふれた物ごとや風景ほど、記録や記憶に残しておく価値がある。それはいつのまにかきれいさっぱり消え失せるものだから。ただ、人間は、「ありふれている」というただその理由だけで価値を見損なうものなので、記憶にも記録にも残そうとはしな…

惨めな下僕

「中国の傘下に入るぐらいなら、アメリカの植民地になった方がマシだ」という安倍総理の強い意思表示により、不参加が決定したようです。(ほぼ事実) どういう先の見立てがあるのか知らないが、こういうところでつまらない意地をはったり、アメリカと中国を…

ヘイトスピーカーが抱える実存の切実さについて

河合隼雄に「軽薄な意見は傾聴するに値するものが多い」という逆説的な言葉があるが、この言葉が一面真理なのは、社会的配慮や内的な事前検閲がない言葉ほどそれを吐く人の本心や本質が顕れ、場合によってはその人が属する組織や共同体の文化的本質まで顕在…

「アイヌ」に関する覚え書き

民族の本質は血(あるいは人種)よりも、言葉と文化だ。それを観光資源ではなく日常生活で維持している人間がいなくなれば、その民族は「滅んだ」といわざるをえない。誠に痛ましいことではあるが。。香山リカのアイヌ問題「反論」は無意味な駄文 http://nik…

呆けたツラ

シーア派のフーシが支配したサヌアに自爆テロをしかけたスンニ派のイスラム国はイエメンにおいてはサウジ=アメリカ陣営に属するということになる。敵の敵は味方だったりやっぱり敵だったりする複雑怪奇な中東情勢。<イエメン>サウジが軍事介入 http://hea…

仕事の「早さ」について

実際に仕事が早い人になるのは高い能力が要るが、「仕事が早い人」に見せかける方法はある。それはすぐできる仕事(手を付けさえすれば30分以内で出来る仕事)を優先してすぐにやることだ。仕事がめちゃくちゃ早い人の特徴 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/a…

共産主義とIS

地域を限定した「イスラム国」より、世界中にシンパを持つ「過激派組織IS」の方がよほど始末が悪い。かつて共産主義は「コミンテルン〇〇支部」を世界中に配備し、「世界同時革命」を目論んでいたが、ISが同じことを意識的・無意識的に望んでいるとすれ…

「楽しむ」ということ

「〇〇を楽しんでください」というお定まりのフレーズがあるが、楽しいときは言われなくたって勝手に楽しむし、楽しいなんて思えないことをするときは要らざる強制になるし、ようするにこれは言う側が自己満足しているだけのまるで価値のない言葉だろう。た…

味噌っかすで生きる

集団的自衛権行使 公明、歯止め明記求める http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015030702000122.html …安倍氏としてはもう公明党は邪魔なだけの存在になりつつある。利用され、捨てられる。政治とは冷酷なものだ。それにしても「ぶれない政…

解かりあうということ

人間同士は、深く付き合えば付き合うほど、ぜったいに解かりあえない要素が明確になるというパラドックスがある。逆に言うと、お互いが「解かりあえる」と楽観できるのは、まだ付き合いが浅いからこそだ。小泉八雲は、「自分にはぜったいに日本人を理解でき…

経済の正気、政治の狂気

日本は「戦争をできる国」にはなれない http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150309-00062639-toyo-これはたぶんちがう。いざとなったら「それはそれ。これはこれ」で突っ走るだろう。「信念の政治家」安倍晋三を甘く見てはいけない。人間や社会は経…

死に至る怠惰

たいていの子供は同学年内のつきあいで精いっぱいだが、コミュニケーション力のある子供は、上とも下とも交流の範囲を広げる。ただそれが中学一年生と高校三年生ともなると文字通り「大人と子供」で、上に相応の雅量が無いと凄惨な上下関係になる陥穽がある…

まだ「イスラム国」の方がマシでは?

地域を限定した「イスラム国」より、世界中にシンパを持つ「過激派組織IS」の方がよほど始末が悪い。 かつて共産主義は「コミンテルン〇〇支部」を世界中に配備し、「世界同時革命」を目論んでいたが、ISが同じことを意識的・無意識的に望んでいるとすれ…

関係欲

例えば今をときめくピケティ氏に「あなたの本の内容を一言でいうとなんですか」という質問は「あなたの一生を一言でいうとなんですか」というのと同じぐらい無茶である。「てっとり早くわかりたい」病患者に、真実が姿を見せることはない。なぜなら「てっと…

安倍氏の空洞性について

もう、安倍某をどうこういうヒマがあったら、自分の身は自分で守ることを、それぞれが考え始めた方がよいようだ。それこそ「自己責任」で。自分は必ずしも運命論者ではないが、この時期にこういう首相を頂く仕儀になったのは、ある意味日本国の「宿命」とい…

マーケット感覚について

ビジネスアイデアの話で問題なのは、市場性の検討もさることもさることながら、やる人がそれを、一生涯の仕事にする覚悟があるか、というところだと思う。たとえ結果的には途中で転業することになったとしても、事業を起動させるにはその覚悟が必須のような…

原理主義者というニセモノ

原理主義者というのはウイスキーの原液のような純粋物だと思い込んでいる人がいるだろうが、実態は逆さまで、その多くの正体は居雑物が横溢するニセモノである。その一例が、武士道原理主義の新選組が百姓や商人の寄合いだった事実であり、世界各国からニセ…

晴天紀行 〜鶴岡八幡宮

JR鎌倉駅 修学旅行なのか、校外学習なのか。中学生と思しき集団でごったがえす小町通り。 鶴岡八幡宮。本殿へ至る長大な参道と石段は、東京ビッグサイトを彷彿させるものがある。鶴岡八幡宮がビッグサイトのマネをするわけがないから、東京ビッグサイトが…

戦争を恐れる倜儻不羈

アメリカという国は、第一次世界大戦で漁夫の利を得て以来、第二次世界大戦では欧州と太平洋の二方面で戦争をし、その後に朝鮮戦争をし、その後にベトナム戦争をし、その後にアフガニスタンで戦い、さらに湾岸戦争、イラク戦争、とこの百年間ほぼ年がら年じ…