2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

すぐにでもできることはある

アクセルとブレーキを踏み間違える事故は、両方を右足で操作させることに原因の過半がある。これは左足でクラッチ操作をしていた時の名残だが、ほとんどのクルマがオートマになっている今、両方を右足でさせる意味は殆どないと思う。自動ブレーキ性能の向上…

「受験票に答えがあった」事件から試験の公平性を考える。

まずは事件の顛末から。 ============================= 山口大学が実施した一般入試の国語の設問で、受験票を見れば答えがわかってしまうものがあり、同大はこの設問について受験生全員を正解扱いにすることを決めた。設問は…

学校プール水ダダ漏れ事件で「組織と個人」を考える

まずは、事件の顛末。=========================== 千葉市中央区の市立小学校が昨年夏、プールの給水口の栓を閉め忘れ、水を大量に流失させるミスを起こした問題で、市教委は22日、県水道局から請求された水道料金約438万円を該…

地獄の業火と慈悲の灯火

夏目漱石の「心」に出てくる「先生」が先生であるゆえんは、悩みを克服したのではなく、現在進行形で苦悩していた人だというところにある。おそらく実在のブッダも、伝説のような解脱した人ではなく、今まさに悩んでいる人であり、だからこそ身分の上下を問…

温かい逃げ場

出張先の最寄り駅のバス停で、バスが来るまでベンチに座って待つことにした。そのベンチは大人三人が座れる長さがあり、真ん中に三歳ぐらいの男の子が、その隣に母親が座っていた。自分は空いている右端に腰をおろしたが、その直後に、男の子は立ち上がり、…

厭戦の閾値

佐藤優氏によると、戦争が終結するのは当事国間で累積する戦死者による厭戦気分が閾値を超えたときらしいが、その段でいうと、無人兵器が使われる戦争は、どちらか一方が完全に死滅するまで終わらないということになる。動物同士の闘争は、一方が完全に優位…

「起きてはならないこと」が起きたとき

日本軍の兵隊は、局地戦で敗北しいったん捕虜になれば、敵国の尋問に対して軍事機密であろうが何だろうがお構いなしにしゃべり、友軍を窮地に追い込んだが、米軍の兵隊は捕虜になっても容易に口を割らなかったという。誰しもがそうだったというわけではなく…

プロセスという滋養

「失敗の本質」という本がある。これは戦前戦中の日本の戦争指導者の「失敗」を検証することによって、次世代が同じ失敗を繰り返さないことを期して作られた本だと理解しているが、この本が結論づけるところの「失敗の本質」は、煎じつめると「現実を直視せ…

「常識」に甘えない

日比谷文化図書館に、装丁家の祖父江慎の企画展にいく。 そこには、意図的な乱丁や、わざと不規則に断裁された本があり、たしかにこれはこれで面白いのではあるが、こういう作品が成立する前提として、「世に出回っている書籍のほとんど全てが細心の注意をも…