2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

歴史の射程距離

「賢者は歴史に学ぶ」というが、歴史の教訓というのは往々にしてどこかで聞いたような陳腐な結論であることが多く、大抵、ものの役に立たない。おそらく歴史とは、結果から学ぶものではなく過程を味わうものなのだ。NHKに「ファミリー・ヒストリー」という有…

アベノミクス終わりの終わり

政権唯一の足場だった株高がこうも揺らいでいる状況について、情緒的は反発以外の何も実のあるコメントができないのをみると「実は安倍晋三は経済がまったくわかっていない」という「トンデモ説」が事実なのでは、と思えてくる。安倍氏はさきごろの施政方針…

うろうろした足あと

久しぶりに小林秀雄の「私の人生観」を読み返し、今さらながら、卓見や名言がぎっしりつまっていることにびっくりするが、そもそも、人間は、こんなに卓見や名言を連発できるものなのだろうか。この現象の正体は、その実、同じことを手を変え品を変え繰り返…

受け容れるべきは「少産少死」

太古から人間社会は「多産多死」が通常だったが、近代に至り医学が一定の進歩を見せてから「多産少死」になった。これが続くと人口爆発になるから、自然の調整弁が働いて「少産少死」へと傾くようになる。現在日本のような先進国の多くの夫婦やカップルの子…

合気道について

合気道は、他者と息を合わせて行う体術という意味では、プロレスに近い。さらに、人生とは弱肉強食の「総合格闘技」ではなく、他者とお約束の中で共演するプロレスに近いと観れば、武道の中では合気道こそ最も人生の本質に近づいた修業をしていると言えるだ…

通学路

毎朝、自分は通学路の途中まで子供と一緒に歩く。子供は道すがら友達に会うと、たちまち自分から離れ、友達と合流し、さっさと行ってしまう。これは自分にとって、さびしいことでもあるし、うれしいことでもある。子供には、少数でもいいから、確かな人間関…

娑婆と修羅場

北朝鮮による拉致被害者である蓮池薫さんの兄、透さんが書いた「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」を立ち読みする。小泉首相が二度目の北朝鮮訪問から帰国し、拉致被害者の家族と対面したとき、家族会のうち数人が小泉氏を手ひどくなじり…

サウジとイランが国交断絶(2015年1月4日)

サウジとイランは、すでにシリアとイエメンで代理戦争中だが、両国が本格的に戦争状態になると、イスラム世界は、本格的なシーア派とスンニ派の宗教戦争の様相を呈してくる。 アメリカとイランとは核合意で融和中で、さらにイラクではイスラム国相手に共闘し…

権利と権力

人間が他者や社会と健全なコミュニケーションをするには、適度な権力(自分の意思通りに他人を動かす力)を持つ必要がある。それが過少でも、過大でも、精神の均衡は崩れる。権力を過大に持つことの陥穽は歴史上多くの実例があるから論ずるには及ばないが、…