2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

禍根を残した「従軍慰安婦問題の妥結」

今回の合意は、日韓両国の話し合いの結果に至った国民納得ずくのものではなく、アメリカの強引な仲裁の結果である表層的な手打ちにすぎす、本質的な解決には程遠いだけではなく、それはのちのち大きな災いとなって跳ね返る可能性がある。 アメリカは、ヨーロ…

レオナルド・ダ・ヴィンチの「天才性」について

●そもそもダ・ヴィンチは「芸術家」としての美術史上における地歩は、実はそれほどのものでもない。同時期の芸術家としては、彼はミケランジェロやラファエロなどの錚々たる専業芸術家と比較すれば、作品の質、量ともにかなり見劣りがする。●ダ・ヴィンチは…

メリットとベネフィット

メリットとベネフィットの違いは、たとえば新幹線のメリットが「東京から大阪まで三時間足らずで着く」であるとすれば、そのベネフィットは「すぐに会いたい人に会える」ということである。消費者の頭の中で、メリットとベネフィットが結び付かないことがあ…

最後のよすがは「自分」

定量的なエビデンスがないと物事を信用しない人は、重要な物事ほど多数決で決めてはならないことがわかっていない。例えば、自分の人生を左右するような決断を下すときに、100人にアンケートとってその結果に従おうという人がいるだろうか。自分の人生を左右…

バカという方がバカだ

「あいつはバカだ」という発言は、ほぼ「あいつが嫌いだ」と同義である。「嫌い」という絶対的感情を、「バカ」という相対的な評価にすり替えて、自分をごまかし、相手をあざむこうとしているのであり、そういう欺瞞に気づかないこと自体、発言者が「バカ」…

大切なものは、たいてい無料である

人生において、本当に重要なものは、たいてい目に見えないものであり、そして無料で与えられる。これが得られないと、人は目に見える有料なモノで穴埋めしようとするが、その空隙は並大抵のモノでは埋まらない。かくして心に空虚なものを抱えている人ほど、…

感情と論理

たとえどんなに乱暴な言葉をつかっても相手に好意を持っていればそれは伝わるし、たとえどんなに慇懃な言葉づかいをしても相手への敬意を欠けばそれは伝わる。人間の感情は、つねに態度や行動として表出するもので、論語の「人いずくんぞかくさんや」という…

他人という地面

つらいことや苦しいことがあったら、それを誰かに言ってみるといい。それで何かが解決したり治ったりするわけではないが、少しは荷物の重さを減らすことができる。人に話すことになぜそういう効果があるかというと、苦しみが出口を失っているときに、他の人…

地獄の釜の蓋

吉祥寺の繁華街で、道ゆく人々のあかるい笑顔を見ながら、今ここで爆発や銃撃戦が起きたら、どういうシーンが展開するだろうか、と考えた。穏やかな日常の時間の流れに、突如地獄の釜の蓋が開いたようなあんばいになり、阿鼻叫喚の光景が現出されるだろう。…