2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

鳥瞰的知性について

自分を利害から遠い位置において評論家然と物事を批評するのは一般的に卑怯な態度だとされるが、人は自分事ほど視野狭窄になり、他人事ほどその批評は正鵠を得たものになる傾向のあるので、それにも一定の社会的価値があるといえる。ようするに「深い洞察」…

存在

存在感のない人間などいない。自分はそう考えている。尾崎豊のいうように、「存在」とはまさに「いつも認めざるをえないもの」である。だとすれば、自分のような人間にもそれなりの存在感はあると考えていいはずだ。ここでいう存在感とは、その人が存在する…

「観」についての覚え書き

公営のプールでさまざまな人の泳ぎを眺めていると、ひとくちにクロールといっても実に多様な泳ぎ方があることがよくわかる。ゆっくりと腕をまわし足はほとんど動かさない人、手足をせわしなく回転させる人、リズミカルに息継ぎを刷る人、じつにいろいろな泳…

文章とは自己肯定である

「文章とは自己肯定である」というフレーズをどこかで読んだことがある。でも、どこで読んだのかどうしても思い出せない。もしかすると自分がつくった言葉かもしれないが、でも、こんなに気の利いた言葉を自分が作れるとは思えないので、たぶんどこかで読ん…

命の値段

小学生の男の子を去年の夏祭りの爆発事故で亡くした両親とその子の姉が、事故以来深い悲しみに打ちひしがれ続けている、という新聞記事を読んだ。もともと人間は独りなのだから、残った三人家族だって十分じゃないか、という考え方もある。しかしそれは単な…