2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

人間がひとり存在する意味

日本の借金がここまで膨らんだのは、出る金額に対して入る金額がすくなかったからで、簡単にいえば、国家の経済規模に見合った適正な税金をとらなかったからです。なぜ取らなかったのかといえば、政治家が増税して選挙に落ちるののが怖いからです。官僚は選…

底で鳴る音

司馬遼太郎は、芸術を「高度な快感の体系」と定義したが、「高度」や「体系」にはさしたる意味はなく、要は、「芸術とは快感である」と述べたに過ぎない。ただ、「述べたに過ぎない」と一蹴するにはこの言葉はやや惜しい。これは、「芸術」という巨大な船が…

ジャン・フランソワ・ミレー「落穂拾い」 物語派の画家たち

絵の魅力というものは、人間の魅力とやや重なるところがあって、その意味は、デッサンが正確だったり配色がきれいだったりするいわゆる「上手い」絵がそのまま魅力的な絵になるとは限らないように、容貌やスタイルが良かったり、品行方正な人間がそのまま魅…

大阪城公園

ペン画

ペン画といっても、Gペンやカブラペンといった硬質のものは苦手なので、筆ペンでペン入れをした。先日ツイッターで、バロン吉元画伯が、筆ペンでペン入れをしている動画を見て、その線の流麗さと、引く速度に衝撃を覚えたが、漫画であれがありなんだ、と識り…

沢田研二と兼好法師

沢田研二が、9,000人収容の会場に7,000人分しかチケットが売れていないのを理由に、コンサートを開演直前に取りやめたという。 沢田研二ほどの大スターが、日頃どんな価値観を抱えながら生きているのかは、自分の想像の及ぶところではないが、内心のプライド…

仏教の本質

昨日たまたま読んだ雑誌に、「悩んでいる人をなんとかするのが仏教の役目だ」という一節があった。その通りだと思う。「悩んでいる人をなんとかする」のが仏教の本来の役割で、死んだ人を弔ったり、死後の名前をつけたり、晦渋な人生哲学を振り回したりする…

いわゆる「アベノミクス」始末記

今、日銀は、暗喩的に評すれば、「政府の言いなりに紙幣をする印刷所」に成り下がっているが、その「紙」はごく限られた特定の場所にのみ降り注ぎ多くの人には紙くずさえ行き渡ってない。 このいびつな構図を実感できていないか、もしくは「ごく限られた」場…

青木繁「黄泉比良坂」

新聞の掲載画像をスキャンしたもの。 この作品は、「色鉛筆・パステル・水彩」で描かれているという。これだけ画材から自由になって、好き放題使い分けてもいいんだ、ということを学ぶ。

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 「難破船 乗組員の救助に努める漁船」

以下はまったくターナーとは関係ない話。 最近子供と日本史や地理の話しをすることがたまにある。大人相手だと妙な術語を振り回して煙に巻くことも相手によっては可能だが、子供相手に話をするときは、どんな子供でも、そんなヤクザな手口は通用しない。 子…

「足ひれ」がもたらすもの

はじめてフィン(足ひれ)を着けてプールで泳ぐ。かなりの違和感を感じつつも、未体験のスピードが出る。自分は、普段クロールをするときは腕の漕ぎがメインで、ほとんど足を使わないが、ゴム製のフィンを着けた足は重いので絶えず動かしていないと沈んでし…

俵屋宗達「松島図屏風」

新聞に載っていた絵のスキャン。六曲一双の屏風が対になったおり、上段が左に配置するもの、下段が右に配置するもの。 構図や、配色、琳派の始原たる宗達の歴史的位置づけなど、美術観賞上の、感性的、知的な目の付け所はいろいろあるのだろうが、個人的に驚…

ヨハネス・フェルメール 「牛乳を注ぐ女」

何度も「しまった!」という思いを繰り返しながら描いた。筆で直接描いていくと運筆のずれもあるし、効果の勘違いも多い。けれども、一度描いたら直しようもないので(誤魔化しようはあるが、たいてい傷口を拡げるだけのオチになる)、そのまま我慢して描き…

僧侶と虎

せんだって、横山光輝の漫画を読んだときに、坊主の頭を一本がきの曲線ではなく、楕円の二段階で描いていることに気がついた。もちろん、本物の人間の頭は二段階にできてはいないが、こういうふうに描くと、描線の単調さからうまく免れることができることに…