2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「先生」とは何ものか

「先生が指導法を体系化したことや、演奏技術について細かく言ったことで、斎藤秀雄の教え方は機械的だ、と批判する人が時々いる。でもそれは全然違う。先生が僕らに教え込んだのは音楽をやる気持ちそのものだ。作曲家の意図を一音一音の中からつかみだし、…

わかりやすさという欺瞞

わざとわけの分からない話をして煙に巻く狡猾さや、自分の理解が及ばない話をむやみに有難がる軽薄さは論外として、意味が明確な話をしてそれが聞き手や読み手に理解されれば足れり、というわけではない。 「わかりやすい話」には隠蔽や捏造や曲解などあらゆ…

細川氏都知事選出馬に思う

自分は小泉氏の脱原発思想にはおおむね賛成だが、多くの人が指摘しているようにそれを地方自治体の首長選挙の争点に持ち出すのは的外れだし、都政そっちのけで脱原発にばかりご執心の都知事ってどうなんだと考える。第一線を退き、晴耕雨読の人生の最終章に…

欠落感とは何か

欠落感というものは、「他人はたいてい持っているが自分は持っていない場合」と、「かつて自分は持っていたが今の自分は持っていない場合」の二種類の状況において生じる。だからこの二つが合体した「他人はたいてい持っていてかつて自分も持っていたが、今…

マーケティングの罠

マクドナルドが業績低迷にあえいでいる原因は、結局のところ「マーケティング」に走りすぎたからではないだろうか。いわゆるマーケティングの4Pのうちなんといっても最重要なのが「product(商品力)」のはずだが、それを四分の一の地位に押しこめ、「出店…

正月という「幻想」

近所の神社に初詣にいき、長蛇の列を並んで賽銭を投げ、形どおりの参拝をし、おみくじを引いてきた。おみくじは過って二枚取り出してしまい、そのうちの一枚を売り子である巫女さんに返すときに「どちらが良い出目だろう」と一瞬ためらった。自分の一連の行…