鉄球

昨日の夜、たまたまあさま山荘事件の内幕を描くテレビ番組をみた。事件の概略そのものはさして目新しいものはなかったが、鉄球による破壊をおこなったクレーンの作業員たちが登場し、五十年の時を経て当時を振り返って語る姿が印象深かった。

彼らの顔は、当時の写真を見ても、現在の映像をみても、まぎれもなく、資本家でも政治権力者でもない「労働者階級」のそれであったから。

つまり、象徴的に書くと、労働者による革命を目指した若者たちの夢は、労働者が振るう鉄球によって、破壊されたのである。

あさま山荘事件と、その前段で行われたリンチ殺人がその後の日本の政治状況に及ぼした影響は大きく、深い。