2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ラオコーン像(彫刻)

エドガー・ドガ「踊り子」

単にデッサンの正確さを比べるならば、小磯良平の方がドガより上のような気がするが、ドガのドローイングには、小磯良平にはない魅力がある。端的に言って、それは線への執着と手業の冴えだと思う。ドガの線には、東洋の水墨画的な、浮世絵の名人彫師のよう…

青木繁「海の幸」

模写をするといろいろなことが判る。 自分が気が付いたことは二つある。ひとつは、三つの魚のうち、真ん中と右の二つはサメであることで、もうひとつは、一見ラフな筆致で描かれているが、実は驚くべき緻密さがあり、つまり細部がまったくゆるがせにされてい…

水墨画のようなもの

全体を薄墨の筆ペンで描き、鉛筆でトーンをつけた。「水墨画」といえばいえるだろうが、いわゆる水墨画という言葉が醸し出す一般的な味わいからは、我ながら遠い。後ろに見える建築物はいうまでもなく、公園自体が人工物だからというモチーフ的理由もあるが…

人を嫌う方程式

他人は自分の鏡だ。他人に対する好悪は、自分に対する好悪が反映したものだ。他人を嫌うとき、人は他人の中に、自分自身でもっとも嫌悪している自分を見ている。だからその指摘は自分自身に対する指摘でもあるから、指摘された他人から容易に「あなただって…

最近は、読むものといえば近所の図書館で借りた本ばかりだが、借りた本には返却期限があり、読んでいる途中でも、全く読んでなくても、それが来れば返さなくてはならない。不完全な読書のままで返すのが惜しく、そういう時には、目についた片言隻句を頼りに…

薄墨でのドローイング2(顔)

薄墨の筆ペンは、主線用の濃いものと、陰影用の薄くかすれたものを二種類用意する必要がある。鉛筆ほど、筆圧によって微妙な濃淡は出ないから、道具を分けるしかない。 なお、この絵はジョン・レノンを聴きながら描いた。自分がいまさらジョン・レノンを評価…

薄墨でのドローイング

筆ペンの「薄墨」で描いた。墨は下描きをすると線が死ぬ感じがするので、下描きをしないで描く。薄墨は、運筆を早くするとかすれ、ゆっくりすると濃くなるのが面白い。最後に顔を描こうと思ったが、上手く描けても、下手に描けても、結局は顔に全体イメージ…

罪と罰

深夜の駅のホームで、中年男性(以下オヤジ)が他人が吐いたゲロに滑って転ぶのを目撃する。転んだオヤジは腰をしたたかに打ちつけ、やおら起き上がると、背広の裾とズボンと黒カバンはゲロまみれになっていた。なお、ゲロの海に足を踏み入れるまでオヤジは歩…

大坂なおみ選手

ここまでムキムキ感はないが・・イメージで盛っている。フォトジェニックなキャラクター。肌の色と身体能力は黒人だが、顔はかなり和風。メンタルも日本人が共感できるものをたくさん持っている。日本人である母親の影響か。人種が混じった人間の顔はエキゾ…

ダンサーのトルソ

かなり顔は苦心して描いたのだが、ドツボにはまり、どうしてもサマにならず、結局はトリミングすることにした。ちょうど切られた首から血が流れているようだ。自分は人間の体のパーツで一番好きなのが顔なので、次回はきちんと体に乗る顔を描こうと思う。

敬意について

自分のことを頭がいいと思い込んだ増上慢は手に負えないが、自分のことを頭が悪いとさげすむ卑屈さも始末に負えない。 頭脳の働きにはスポーツのように「得意種目」があり、ある種目では「頭がいい」人が、別の種目では「バカ」になることも多い。 その実状…

足立源一郎「北穂高岳南峰」

新聞に掲載されていた、山岳画家、足立源一郎の作品をスキャンしたもの。この画家は、実際に登山し、現地で描くことに強いこだわりがあったという。彼によると、山にも男性と女性があり、男性は男性らしく、女性は女性らしく描くのだという。「男」を描くの…

伊藤詩織「ブラックボックス」

伊藤詩織著「ブラックボックス」を読む。著者の伊藤詩織さんの職業はフリージャーナリストで、TBSテレビのワシントン支局長(当時)山口敬之が犯した「準強姦」(被害者が意識不明の時に行われる強姦)事件の被害者である。伊藤さんは事件当時、加害者に…