水墨画のようなもの

 

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 全体を薄墨の筆ペンで描き、鉛筆でトーンをつけた。「水墨画」といえばいえるだろうが、いわゆる水墨画という言葉が醸し出す一般的な味わいからは、我ながら遠い。後ろに見える建築物はいうまでもなく、公園自体が人工物だからというモチーフ的理由もあるが、何より大きいのは、描線が自在を得ていないからだろう。

 これを描いている時に、話しかけてきた老人がいて、すこし会話をした。屋外で絵を描いているときに話しかけてきてくれるのは圧倒的に年配者が多いが、一度だけ、サッカーをしている小学生の高学年の男子が、絵をのぞき込んで拍手してくれたことがある。こういうことはたいていその場では恥ずかしいだけだが、あとでしみじみ嬉しくなることがある。