2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

チグハグでトンチンカンな時代

仮想通貨取引所大手のコインチェック(東京・渋谷)が顧客から預かる約580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した問題で、NEMを保有していない顧客を含めて資産が失われる可能性があることが27日、分かった。被害が拡大する恐れがある。(日経新聞…

広告写真より

広告写真は、たくさん撮る中から選りすぐりの一点が採用されるため、いい写真が多い。絵というものは、モチーフと「一字一句」そっくりに書こうとするとモチーフの奴隷になり、いい作品にならない。コピーを作りたいのなら、写真に撮ればいいだけの話だ。実…

小室哲哉氏の「引退宣言」

小室哲哉氏が記者会見の席で「才能の枯渇」といっていたそうだが、実感だろう。船村徹氏は晩年に「みだれ髪」という至宝をものしたが、それを可能にしたのは「演歌」という日本の音楽文化の「型」だったと思う。 伝統文化の担い手は年齢とともに成熟し、新興…

クロード・モネ「日傘の女」

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック

ロートレックがあこがれていたドガは、踊り子を好んでモチーフにしたが、ドガが踊り子をしばしば描いた理由は、競馬馬をよく描いていたのと同じ理由で、鍛え抜かれた「動物」だけが持ちうる無駄のない外線や、鋭敏な動勢にひかれたからである。ドガは、セザ…

硬くて狭いものではなく、柔らかくて広いもの

子供の学校での友達関係の話を聴き、いつの時代も、学校での人間関係というのは厄介だな、と思った。 自分は、学校時代を通して、幸い、いじめのターゲットになったことはなかったが、休み時間や放課後、部活動での人間関係に、日々神経をとがらせ、疲弊して…

遠い記憶

ひとつの記憶がある。 夢の中で、わたしは泣いていた。ただひたすらに悲しく、とめどなく涙が流れた。 そのとき、暗やみの中からだれかが近づいてきた。それは若い大人の女性で、驚いて泣きやんだわたしの肩にそっと手のひらをおくと、恥じらいをふくんだほ…

スピリチュアルケア〜祈りと希望 を聴きにいく

四谷の上智大学に行き、「スピリチュアルケア〜祈りと希望」という講演を聴きに行く。講師は、ノートルダム清心女子大学准教授の崎川修さん。哲学やキリスト教倫理学を専攻しているとのこと。自分が思うに、哲学の本義とは、人間や社会(さらに言えば地球や…

スケッチ 四谷・上智大学付近

四谷の上智大学近くの街路樹のある風景のスケッチ。現地では鉛筆でデッサンだけして、帰宅してから筆ペン、色鉛筆、チャコールペンシル、さらに鉛筆で仕上げた。総所要時間は三時間ほど。自分としては昨今では稀な時間のかけ方で、描いている途中では、良く…

宮本武蔵 「枯木鳴鵙図」

宮本武蔵には、剣豪としての顔と、すぐれた美術家としての顔と、著述家としての顔の、三つの顔がある。この多能ぶりに「宮本武蔵複数人説」もあるぐらいだ。そういいたい気分はわかるが、複数の人間をわざわざ一人に収斂するメリットも思い浮かばないので、…

ロバート・ブルーム「日本婦人像」

ロバート・ブルームは33歳だった1890年(明治23年)から約2年間日本に滞在し、その間に、水彩、パステル、油彩、ペン画と、様々な技法を自在に使い分けつつ、当時の日本の風物を緻密な筆致で描いた。元号はすでに明治であり、政治体制や経済活動においては、…

ディエゴ・べラスケス「鏡の中のヴィーナス」

現在活躍しているある画家が、「画家は絶対にうぬぼれることができない職業だ。なぜなら、自分よりとんでもなくうまい人が、過去にいくらでもいるからだ」と述べているのを読んだことがある。この絵の作者であるベラスケスは、文句なしに、人類史上の「とん…