|NHKが裁判で「完敗」

「テレビがあれば受信料の支払い義務は生じる」主張は、法律的には「テレビがある人は受信料契約を結ばなくてはいけない」ということで、これは明らかに「契約の強要」であり民法的に違法。しごくまっとうな判決。

NHKが裁判で「完敗」

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159102


どんな法律を持ち出して恣意的な「解釈」(この言葉も手垢にまみれた嫌な言葉に成り下がったが)をしても、契約は締結者同士の同意が不可欠なのが大原則で、法律で「契約を強制」することはできないし、これを許すことは、例えば押し売りを合法化することと同じレベルの暴挙である。

NHKの受信料「不払い」の問題がここまでこじれるのは、NHKが国家(NHK予算)と国民(受信料)の両方から財源を二重取りしようとしているからだが、これを続けている理由は、組織として、「国営」の安定性・信用性と、「民営」の自由性・利潤性の両方の旨みを吸い続けたいからだ。

放送法には「契約をしなければならない」とあるが、これには罰則規定がないので「努力義務」と解するべきだ。ではなぜ罰則がないのかだが、これは「契約の自由」が憲法民法を持ち出すまでもない市民社会の大原則である以上、「強迫」はできても「強制」はできないと法案作成者が考えたからだろう。

けれども、憲法9条を「集団的自衛権を認めている」と「解釈」するより、放送法64条を「受信料の支払いを納税並みの国民と義務と定めたもの」と「解釈」する方が、よほどハードルが低いのも確かだ。

「法律の条文なんて時の権力者の恣意的な解釈でどうとでも曲げられる」ことが常態の世の中になったら、法律は、まともに学ぶだけアホを見る代物に成り下がるだろう。