呆けたツラ

シーア派のフーシが支配したサヌア自爆テロをしかけたスンニ派イスラム国はイエメンにおいてはサウジ=アメリカ陣営に属するということになる。敵の敵は味方だったりやっぱり敵だったりする複雑怪奇な中東情勢。

<イエメン>サウジが軍事介入
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150326-00000032-mai-int

こんな地上の魔窟のような場所に、「アングロサクソン様がなさることに過ちがあろうはずがない」という可憐な信仰だけを心の支えにして、呆けた顔をして首を突っ込みたがる幼稚な「我が」首相。

イランとサウジの代理戦争の地であるイエメンで、イスラム国がサウジ側につくのは、イランに敵対しているからだ。さて「イランに敵対している」国の筆頭といえばイスラエルだが、なんとなれば「イスラエルイスラム国は利害が一致している」ということになる。

これはトンデモ陰謀説めくし、イスラム国の兵がイスラエルのスパイを銃殺したとされる事件も最近起きたから微妙ではあるが、イスラム国がその主張においてパレスチナ問題に触れることが無いことに、奇妙さを覚えている向きがあることも事実である。

事実、シリアのアサド政権に対し、イスラム国と共闘しているヌスラ戦線をイスラエルが支援していることをイスラエルの新聞が報じたり、負傷したヌスラ戦線の兵士がイスラエルで治療を受けている画像や映像もあるらしい。

ユダヤ教イスラム教の、ともに過激派の総本山であるイスラエルイスラム国が意を通じていることが事実ならば、さきの安倍氏イスラエル訪問と経済協力の表明はとんだ茶番だったことになるが、実際のところはどうなのだろう。

ただ、これだけは言える。現在の中東情勢は、味方を支援したつもりが敵を利する結果になったり、敵と戦ったつもりが味方を傷つけたりといった重度の混迷状態にある。そもそも誰が味方で誰が敵かすらが判らないし、判っても入れ替わることも多い。

この混迷の張本人であるアメリカには、今さらそこから逃げることは許されないが、お呼び出ないのにノコノコ首を突っ込んで要らざる火遊びをしようとするのは愚の骨頂である。このことは間違いない。