新型コロナウイルス禍

ひどい状況だし、ひどくなり続けるだろうが、爆弾が空から降ってきたり、殺し合いにかり出される本物の戦争よりは、比べ物にならないぐらいマシなのだ。これをきっかけに戦争にでもならない限り。 ただ、国家間の戦争は起こりにくいかもしれないが、テロリス…

この国のかたち

連合艦隊が崩壊し、全国の都市という都市が空爆によって灰燼に帰し、国内外で300万人が死んでも戦争を止められなかった国。まともに実施できないことが決定しているのに「オリンピック」を止められない国。「この国のかたち」というのは、たかだか数十年では…

不機嫌な人とは

不機嫌な人とは関わらない。怒っている人とは議論はしない。不機嫌が感染するし、意味のある議論にならないから。「逃げた」と見なされようが、「黙っているということは承諾したんだな」と受け取られようが。たとえ明らかに自分に理があっても。

遺された言葉

もしブッダが現世で永遠の命を得て、いまだに箴言を吐き続けていたら、仏教の教理はここまでの深みを得ることはできなかっただろう。 ブッダが世を去り、永遠に生身の謦咳に接することができなくなったからこそ、その言葉を後世に残すべく仏典結集が始まり、…

何が目的のオリンピックだったのか

たとえ待ちに待ったお花見の予定があってもその日に台風が直撃することが確実になったら、早々に中止を決めて準備をすべて止め、予約類をすべてキャンセルするのが損害を極小化するための理性的な対応だと思うが・・。 すでに中国と韓国の選手は日本国内に入…

主従関係と蜜月関係

人間の心の中には、「絶対に人に譲ることができない核心」があり、その周りを「人に譲ることができる緩衝材」が取り巻いている。ある意味、野球の硬式ボールのような構造になっている。 人と人が接近していく初期段階は、その緩衝材地帯での触れ合いでおさま…

被害者と犠牲者

見かけは同じ「大義に殉じた」歴史事例でも、特攻隊と赤穂浪士では質が違う。特攻隊は戦争の被害者だが、赤穂浪士は武士道の「犠牲者」である。犠牲者は美化しうる存在だが、被害者は悼むべきもので、美化してはならず、美化してはさらなる「被害者」を再生…

「オリンピック中止」による損害の非対称性

どだい開催は無理な状況になっているのだから、はやく中止を決めて傷口を塞がないと、その災いは、後世、最大の「後手後手」と評されることになってしまう。 開催中止の実害は、オリンピック賛成派も反対派も等しく被ることになる。原発事故と同じ構図だか、…

京都・鴨川

鴨川

南禅寺三門眺望

南禅寺三門 劇中で石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな」と叫んだ京都・南禅寺三門(山門)からの眺め。いろいろ不出来なところがあるが、せっかく描いたのでアップする。 剣道でも、絵画でも同じことだが、自分はもうひとつ、外界の現象を深く見抜くことが…

鈍感さの上に咲く幸福の花

幸福とは有り体に言えば、「良い人間関係の中で暮らしている悦び」のことである。おカネも、栄誉や褒章も、仕事も、名声も、すべてよい人間関係を作り上げ維持するための「手段」あるいは「素材」に過ぎないし、素材があるからといって、その人が幸福である…

伝えない文章

機能的(論理的と言いかえてもいい)な文章と、文学的(芸術的と言いかえてもいい)な文章を区別する考え方があるが、その場合、文芸における「機能美」というものはどこに存在することになるのだろうか。もしくは、文芸においては機能美(たとえば、スッと…

宗教に関する断章

宗教学者には、肚の底では何かの確かな信仰があるが、頭(理知)部分でそれを疑っているという、きわめて高度な精神の塩梅が必要なのではないか。そうでなければ、彼らは、「無神論」というよく切れるナイフで死肉を手際よく腑分けするだけの、「腕のいい解…

チコちゃんが疑われる

NHKテレビに「チコちゃんに叱られる」という人気番組があり、先日「鏡の中の自分はなぜ左右逆に映るのに上下は逆にならないのか」という問いがあった。 答えは「わからない」で、「なぜわからないのか」を、大学教授がえんえんと説明していた。その大学教授…

人間は万物の尺度である

自分が寛大だからと言って、相手も寛大であるとは限らない。自分が賢明だからといって、相手も賢明だとは限らない。自分が愚かだと言って、相手も愚かだとは限らない。自分が楽しいからといって、相手もたのしいとは限らない。自分が苦しいからといって、相…

攻めと守りの要諦

人間が攻撃的になるのは攻撃されるのを恐れているからだ。戦場では自分が弾を撃っている間は敵の弾は当たらないという妙な思い込みに囚われるらしいが、平時でもこの類いの妄念から逃れるのは難しい。 「攻撃が最大の防御」になるのは、自分に敵を圧倒する力…

イメージわくということ

最近、ほぼ三十年ぶりに剣道を再開した。やってみて驚くのは、からだが思ったより動くのと、相手と対峙したときに攻防のイメージがまったくわかないことだ。 自分の予測ではこれは逆だった。おそらく昔とった杵柄で、攻防のイメージはわくのだが、身体がうま…

腹が立つということ

なにかひとに言われて腹が立つということは、その言われたことが、多かれ少なかれ、的を得ているからだ。 例えば、もし、身長2メートルの ひとが、「おまえ、チビだな」と言われてもなんの痛痒も感じないだろうが、微妙な身長のひとならば、多く場合、いた…

獣性と洗練性

W杯ラグビー 準々決勝で日本3対26で南アフリカに敗北 会田雄次は 「アーロン収容所」の中で「イギリス兵は、貴族階級と労働者階級では体のでかさからして 違うからはっきり判る」と述べていて、貴族階級のスポーツであるラグビーの試合を見るたびに、自分は…

空想的マッチョイムズ

戦時中アメリカには京都に原爆を落とす計画があったが、占領後の日本人の国民感情を考えて思いとどまった。日本にも原爆を製造するプロジェクトがあり、もしそれが成就し、太平洋を渡れる爆撃機があったら、確実にワシントンに原爆を落としたことだろう。戦…

孤独が産み出すもの

樹木のある風景 夏目漱石の書いた文書を読んでいると、彼は時代を象徴する作家であったとともに、時代から隔絶された孤独な人間であったことを感じる。孤独であることと、時代を象徴することは、一見矛盾するようだが、その時代において(外貌はどうあろうと…

やるべきことがあるのにやる気がおきないとき

やるべきことがあるがやる気がないとき、やるべきことが実はよく分かっていない(だからやるのが怖い)場合と、やるべきことが実に分かりすぎている(だから興味がわかない)場合の二つのケースがある。そして、今回はおそらく後者だ。あ~、めんどくさい。

レンタルなんもしない人

「レンタルなんもしない人」さんの話を聴きに行く。 レンタルさんの需要は、「人恋しいが、人と接するのは嫌だ」という心理にある。言葉を換えれば、需要者は「人間関係を抜きにした素の人間」をレンタルさんに求めているわけで、これは「アルコール成分を抜…

生と死のフィクションとリアリズム

客観的実在と認識する主体がそろってモノは存在するのだから自分の死は世界の終わりと同じであり、自分の死後も世界が存在すると考える方がフィクションである。 「自分の死とともに世界は崩壊する」というリアリズムは、多くの人は自分の死に直面しないと気…

京都 清滝

京都 大覚寺 大沢の池

正攻法では通じない

以前ある人が「テニスは相手のコートの空いているところに球を打ちあう卑怯なスポーツだ」と言っていた。一見子供らしい意見だが、聞き流すにはもったいない指摘だと思った。相手が待ち構えているところに球を打ち、球を投げ、竹刀を振り下ろし、かつそれを…

「歴史的使命」を終えた安倍政権

今にして思えば、オバマのレガシーのために従軍慰安婦問題をたった10億円で強引に手打ちにしたのが現在の日韓関係のこじれの諸元であった。 従軍慰安婦問題はその事実関係がどうなのか以前に、朝鮮半島のかつての日本統治への怨嗟の象徴なのだから、よほど注…

ゼロサムゲームにおける「国益」とは

金融緩和によってデフレが解消するというのは原理的な理屈はわかりやすいが実際的には非現実的だった。これは繋がっている太平洋は大西洋で海面の水位は同じになるはずだが、現実には地球の自転や月の引力や海流や風という複雑な変数によって大きな差ができ…

子供に学ぶ

「剣道場床工事 武床工舎」のサイトより引用 https://noka-tsubasa.wixsite.com/bushoukousha/blog/%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AB%E5%AD%A6%E3%81%B6?fbclid=IwAR2ILptm6nYA-ncPHxFTAeQmtlwVsmN3q5TGZwNszxEdX_M1cCIIaJfQRJ0 ===========…