2018-01-01から1年間の記事一覧

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 「難破船 乗組員の救助に努める漁船」

以下はまったくターナーとは関係ない話。 最近子供と日本史や地理の話しをすることがたまにある。大人相手だと妙な術語を振り回して煙に巻くことも相手によっては可能だが、子供相手に話をするときは、どんな子供でも、そんなヤクザな手口は通用しない。 子…

「足ひれ」がもたらすもの

はじめてフィン(足ひれ)を着けてプールで泳ぐ。かなりの違和感を感じつつも、未体験のスピードが出る。自分は、普段クロールをするときは腕の漕ぎがメインで、ほとんど足を使わないが、ゴム製のフィンを着けた足は重いので絶えず動かしていないと沈んでし…

俵屋宗達「松島図屏風」

新聞に載っていた絵のスキャン。六曲一双の屏風が対になったおり、上段が左に配置するもの、下段が右に配置するもの。 構図や、配色、琳派の始原たる宗達の歴史的位置づけなど、美術観賞上の、感性的、知的な目の付け所はいろいろあるのだろうが、個人的に驚…

ヨハネス・フェルメール 「牛乳を注ぐ女」

何度も「しまった!」という思いを繰り返しながら描いた。筆で直接描いていくと運筆のずれもあるし、効果の勘違いも多い。けれども、一度描いたら直しようもないので(誤魔化しようはあるが、たいてい傷口を拡げるだけのオチになる)、そのまま我慢して描き…

僧侶と虎

せんだって、横山光輝の漫画を読んだときに、坊主の頭を一本がきの曲線ではなく、楕円の二段階で描いていることに気がついた。もちろん、本物の人間の頭は二段階にできてはいないが、こういうふうに描くと、描線の単調さからうまく免れることができることに…

ラオコーン像(彫刻)

エドガー・ドガ「踊り子」

単にデッサンの正確さを比べるならば、小磯良平の方がドガより上のような気がするが、ドガのドローイングには、小磯良平にはない魅力がある。端的に言って、それは線への執着と手業の冴えだと思う。ドガの線には、東洋の水墨画的な、浮世絵の名人彫師のよう…

青木繁「海の幸」

模写をするといろいろなことが判る。 自分が気が付いたことは二つある。ひとつは、三つの魚のうち、真ん中と右の二つはサメであることで、もうひとつは、一見ラフな筆致で描かれているが、実は驚くべき緻密さがあり、つまり細部がまったくゆるがせにされてい…

水墨画のようなもの

全体を薄墨の筆ペンで描き、鉛筆でトーンをつけた。「水墨画」といえばいえるだろうが、いわゆる水墨画という言葉が醸し出す一般的な味わいからは、我ながら遠い。後ろに見える建築物はいうまでもなく、公園自体が人工物だからというモチーフ的理由もあるが…

人を嫌う方程式

他人は自分の鏡だ。他人に対する好悪は、自分に対する好悪が反映したものだ。他人を嫌うとき、人は他人の中に、自分自身でもっとも嫌悪している自分を見ている。だからその指摘は自分自身に対する指摘でもあるから、指摘された他人から容易に「あなただって…

最近は、読むものといえば近所の図書館で借りた本ばかりだが、借りた本には返却期限があり、読んでいる途中でも、全く読んでなくても、それが来れば返さなくてはならない。不完全な読書のままで返すのが惜しく、そういう時には、目についた片言隻句を頼りに…

薄墨でのドローイング2(顔)

薄墨の筆ペンは、主線用の濃いものと、陰影用の薄くかすれたものを二種類用意する必要がある。鉛筆ほど、筆圧によって微妙な濃淡は出ないから、道具を分けるしかない。 なお、この絵はジョン・レノンを聴きながら描いた。自分がいまさらジョン・レノンを評価…

薄墨でのドローイング

筆ペンの「薄墨」で描いた。墨は下描きをすると線が死ぬ感じがするので、下描きをしないで描く。薄墨は、運筆を早くするとかすれ、ゆっくりすると濃くなるのが面白い。最後に顔を描こうと思ったが、上手く描けても、下手に描けても、結局は顔に全体イメージ…

罪と罰

深夜の駅のホームで、中年男性(以下オヤジ)が他人が吐いたゲロに滑って転ぶのを目撃する。転んだオヤジは腰をしたたかに打ちつけ、やおら起き上がると、背広の裾とズボンと黒カバンはゲロまみれになっていた。なお、ゲロの海に足を踏み入れるまでオヤジは歩…

大坂なおみ選手

ここまでムキムキ感はないが・・イメージで盛っている。フォトジェニックなキャラクター。肌の色と身体能力は黒人だが、顔はかなり和風。メンタルも日本人が共感できるものをたくさん持っている。日本人である母親の影響か。人種が混じった人間の顔はエキゾ…

ダンサーのトルソ

かなり顔は苦心して描いたのだが、ドツボにはまり、どうしてもサマにならず、結局はトリミングすることにした。ちょうど切られた首から血が流れているようだ。自分は人間の体のパーツで一番好きなのが顔なので、次回はきちんと体に乗る顔を描こうと思う。

敬意について

自分のことを頭がいいと思い込んだ増上慢は手に負えないが、自分のことを頭が悪いとさげすむ卑屈さも始末に負えない。 頭脳の働きにはスポーツのように「得意種目」があり、ある種目では「頭がいい」人が、別の種目では「バカ」になることも多い。 その実状…

足立源一郎「北穂高岳南峰」

新聞に掲載されていた、山岳画家、足立源一郎の作品をスキャンしたもの。この画家は、実際に登山し、現地で描くことに強いこだわりがあったという。彼によると、山にも男性と女性があり、男性は男性らしく、女性は女性らしく描くのだという。「男」を描くの…

伊藤詩織「ブラックボックス」

伊藤詩織著「ブラックボックス」を読む。著者の伊藤詩織さんの職業はフリージャーナリストで、TBSテレビのワシントン支局長(当時)山口敬之が犯した「準強姦」(被害者が意識不明の時に行われる強姦)事件の被害者である。伊藤さんは事件当時、加害者に…

ドローイング

足の置き方が中途半端で、初めから絵にするのは難しいことはわかっていたが、やはり難しかった。迷いなく線を引くのは高度な技だが、できる人にとっては、明確にあるイメージ通りに手を動かすだけだから、さほど難しいことではない。(自分ができるという意…

青い目の女性像

ネットで拾った画像から。基本、パステルは人物画には向かないと思うが、粗くしか描けない良さも確かにある。一筆でまるで印象が変わるのは描いていてびっくりするし、面白い。女性像の肌や目尻を描いていると、女性が化粧をするときの気分が乗り移ってくる…

リス使いとニセモノのゴッホ

花みどり文化センター 昭和天皇記念館 この絵を描いているとき、少し離れたところで、放し飼いのリスと戯れている中年男性がいた。リスはとても中年男性になついていて、ポイと投げ飛ばされても器用に着地して、すぐに飼い主の膝の上に駆け戻ってくる。リス…

維持すべき二重構造

安倍晋三を、バカとかボケとかいうのは簡単だが、その「バカ」がなぜ合計10年間(第一次で1年、第二次でこれまで六年、第三次でこれから三年)も、日本の最高権力を握るなりゆきになったのかの分析は、まだまともにはなされていないようだ。何年後か、何十年…

睡蓮の池

枝野幸男・立憲民主党党首の、「魂の演説」を聴きながら描いた。この演説を聞くのは、何回目かわからないが、はじめから終わりまでノンストップで聞いたのは今回が初めてだった。安倍政権の数々の愚行・悪行は、(国会議事録削除や発行された本が焚書坑儒に…

モネの風景画 

モネの油彩画をパステルで模写する。色数が少ないせいもあり、いろいろとやり切っていないところがある。本当は人物が数人いるのだが、省略した。でも人物がいる方が、マシな仕上がりになったと思う。次回は人物を省略しないようにしようと思う。

高幡不動尊 高幡城址 城について

高幡不動尊金剛寺 大日堂薄墨の筆ペン、黒ペン、鉛筆で描いた。薄墨の筆ペンで絵を描くのは初めての試みだったが、単なる黒い墨より雰囲気が出る。いにしえの水墨画も、やや薄い墨で描いているような気がする。ただ、筆のフリーハンドだと、少しでも迷いがあ…

フランシスコ・デ・ゴヤ 「サバーサ・ガルシア」

ゴヤの肖像画には人間のさまざまな感情が表現されている。自分の感情はそう深いものではないが、ゴヤの表現は、少なくとも自分の心の最も深いところに届くまでの鋭利さと強さを備えている。自分の描くものや、書くものは、ひとまず棚に上げて言うのだが、世…

日本庭園 みんなの原っぱ

木を描くのが、自分には依然として難しい。どうしても生来の手癖が出てしまう。出来上がってみれば、どの木も実物と程遠く、三角形のおにぎりのような形になっている。せっかく現地で描いているのだから、ちゃんと実物と観察しなければならない。途中で雷が…

場合によっては自分が存在しなかった世界

最近私は子供から「お母さんはもっとマシな人と結婚すればよかったのに」としばしば言われる。私から遺伝したある特質が、子供が気に入らないゆえの発言だが、それが何なのかはここで書くに忍びないし、この話の本筋でも無いのでさておき、もし「お母さん」…

表参道 明治神宮

表参道沿いに残る「同潤会アパート」の建物 表参道に用事があり、ほぼ十年ぶりぐらいに原宿界隈に行く。どこの観光地でもそうだが、外国人がすごく多い。特に原宿はこれは昔からかもしれないが、白人が多い。道行く人々も気のせいかファッショナブルで、数十…