レーピン「レフ・トルストイの肖像」

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イリヤ・レーピン 「レフ・トルストイの肖像」

 2013年に東急bunkamuraでのイリヤ・レーピンの企画展で購入したカタログを眺めていて無性にマネしたくなった。レーピンは間違いなく絵画史上に輝く世界最高の画家の一人だが、ルネッサンス期の画家や、印象派の面々に比べると日本での知名度は高いとはいえない。ロシアは文学といい音楽といい絵画といい、世界最高の芸術家を生み出し続けた芸術の沃野だが、フランスやドイツなどの「ザ・ヨーロッパ」諸国からは辺境視され続け、ロシアもそれにコンプレックスを抱いていた。しかし、ロシア芸術が偉大なのは、フランスやドイツ(オーストリア)にテクニックを学びこそすれ、マインドは独自性を保ち続けたところである。ドストエフスキートルストイはゾラやスタンダールに似ていないし、チャイコフスキーラフマニノフモーツアルトやベートーベンには似ていない。似ていないどころか、ロシアの方が、人性や社会の、ひとレベル深いところを突いているような気がする。芸術において、ロシアはとてつもなく偉大だ。政治や経済は知らんけど。