「若い婦人の肖像」 ドガの作品より


自分の中では、ドガの「若い婦人の肖像」は、世界絵画史上、肖像画部門の最高傑作。この絵は、これまで何回模写したかしれないが、うまく描けた試しがない。きょうは、久しぶりにネットでこの作品を見て、新しい発見があったので、モチーフにしてみたが、やはりうまい具合にはいかなかった。

手を加えれば加えるほど悪くなる流れになり、「損切り」のような気分で、やっと描くのを止める。世の中に、自分の顔を整形手術するのを止められなくなる人がいるが、どうしても気に入らない不満を押し殺しながら、肖像画に手を加え続ける気分は、多分それに近似していると思う。

自分が目で見抜いていることを、手がどうしても再現してくれない。しかし、これは、練習不足で手が上手く動かないのではなくて、やはり対象の見抜き方が足らないのだと思う。