2018_07_28 ごく私的な「負け」

 実は今日は鎌倉にスケッチに行きたいと思っていたのだが、台風が来ていることをすっかり忘れていた。屋内から、すでに小雨がパラついている屋外を描く。

細い筆先のペンでフリーハンドで線画を描き、濃い鉛筆でトーンをつける。トーンをつけて良くなったのか、わるくなったのか、効果がなかったのか、は自分ではどうも判断がつかないが、正直なところあまり見栄えが上がっているとは思えない。

言えるのは、トーンをつけないでもそこそこ見える絵でないと、トーンをつけても良くはならないということだ。トーンをつけて何かが回復するということは少なくとも無い。

外では嵐が吹き荒れている。

今日は近所で花火大会がある予定だったが、二日前にははやばやと中止が告知された。ちょっと、潔さが過ぎるんじゃないか、もう少し様子を見た方がいいのではないか、とひそかに思ったが、予報通り天候が荒れて、中止の決断を下した人は、言い方は悪いが「胸をなでおろして」いることだろう。

子供が、朝から夏休みの自由研究をしている。そのレポートに貼り付ける動物のイラストを、図鑑をお手本にしながら何枚も描いている。

総じてよく描けている、というか、自分の子供のころより相当マシだが、それでも、形がうまく取れていないところが目につく。

自分が「下描きをしたり、一度別の紙で練習したりするとうまくいく」とアドバイスすると「リハーサルをすると、たんに一回目をなぞるだけになるので、いやだ」という。

しごくまっとうな意見で、深く納得する。われながら、要らざることをいった。花火大会の中止を決断した人に続き、自分の子供にも「負けた」と思わされたかたちになった。