祝!日本国民(安倍晋三氏除く)がノーベル賞受賞

 太平洋で日本軍の恐ろしさが身に染みたアメリカは、戦後憲法9条を押しつけて日本人が軍隊を持てないようにしたが、ソ連と張り合うにはアジアにも息がかかった軍隊が必要だとすぐさま思い返し、自衛隊をつくらせた。

冷戦終結後、イスラム圏との戦争をするには日本軍も連れてきゃなんかの足しになるだろとさらに思ったアメリカは、自衛隊の海外派兵と戦闘行為を可能にするべく9条廃止を日本政府に指示。かねてこの条文を「みっともない」と言明し憚らなかった安倍首相は揉み手で承知し憲法改正に着手したが、それがとてもめんどうくさいことに道半ばにして気づく。

そこで安倍政権は「解釈の変更」という裏技で骨抜きにすることを画策。多くの反発を受けながらも、なんとなくうまくいったような雰囲気が醸し出され、やれやれこれでアメリカ様のご機嫌もとれると安堵していたところ、「9条を支持する日本国民にノーベル賞を」という迷惑千万な話が降ってわいてきた。

もとより「憲法9条を支持する日本国民」ではない安倍首相は、万が一受賞した時に自分だけが授賞者から外れる事態になることを憂慮、アメリカ政府に「なんとかならないでしょうか」と泣きついた。

米政府は9条破棄を日本に押しつけた張本人であるいきがかり上、総力を挙げて「日本国民」の受賞を阻止する方向で動くことを日本に確約。

さっそくオバマ政権はノルウェーノーベル賞選考委員会に、「日本国民」を受賞候補から取り下げるよう圧力をかける特使を送ったところ、すごい剣幕になった選考委員長の「われわれはあらゆる政治的圧力には屈しない」の一言で、すごすご退散する。

帰国した密使の報告を聞いたヘーゲル国防長官は「こうなったら、オスロ空爆しましょう」とオバマ大統領の両肩をつかんで迫るが、「ヘイ、ユーは正気か?」と周囲に羽交い絞めにされる。(なお、この顛末は厳重な情報統制のもとにホワイハウスの外に漏れることはなかった。)

両国政府が手をこまねいているうちに選考は進み「日本国民」の受賞が決定。ノーベル賞委員会は、いちおう国民の代表として安倍首相に授賞式の招待状を送るが、首相は「この招待状の文面の解釈を変更し、受賞はしていないとする」と記者会見で口走り、「いくらなんでもあんまりだ」「クレイジーな答弁」と国内外から猛バッシングを受ける。

安倍首相は発言を取り下げ、授賞式一か月前にもかかわらず「お腹が痛い」と欠席を通知、呆れられながらもノルウェー政府に受理され、代わりに言いだしっぺの「主婦」が参加することになる・・・はず。