どうでもいい話

 喫茶店で、若い女性二人が、それぞれが別の相手と、どうでもいいことを延々と長電話していた。内容から察すると、どうやら二人ともが、それぞれの交際相手の男性と話しているようだった。

 この二人の女性の関係は、目の前の相手への礼儀や配慮をお互いが欠いているという意味では冷淡といえるし、相手に頓着せずお互いが思うままに振る舞えるという意味では親密ともいえる。

翻って考えてみる。喫茶店に来た若い男の二人連れが、それぞれが自分の彼女と電話をしている図が想像つくだろうか。すくなくとも自分には想像できない。

男同士というものは、こんなぐあいの、冷淡なような親密なような、浅いような深いような、微妙な関係性を結ぶことが不得手なように思える。