表現について

 言葉というものは、同じ内容でも発言者の心理状態や性格や、立場によって表現が変わる。たとえば数式化すれば「A=B」で終わってしまう内容も、以下のように様々なバリエーションを見せる。

AはBである。(断定式)

AはBだと思う。(謙譲式)

AはBなんじゃないかと思う。(自信揺らぎ式)

AはBなんじゃないかと個人的には思う。(かなり自信揺らぎ式)

AはBなんじゃないかと思えてしまってしかたがない。(泣き落とし式)

AはBであると自分の脳が叫んでいる。(脳科学者式)

ひょっとするとAってBなのでは・・と思ったりもするのでした。(女流エッセイスト式)

AはBではないと主張するのには無理がある。(新聞社説式)

AはBではないと主張するひとは、間違っていると批判されても仕方がない。(社会評論家式)

AはBではないと主張する行為には多くの誤謬が含まれていることが示唆される。(学術論文式)

AはBではないと主張するのは多くの誤謬を含んでいるように個人的には思えてしかたがないのだがこういう私の考えは必ずしも間違ってはいないような気がしないでもない。(支離滅裂式)