鉄球

昨日の夜、たまたまあさま山荘事件の内幕を描くテレビ番組をみた。事件の概略そのものはさして目新しいものはなかったが、鉄球による破壊をおこなったクレーンの作業員たちが登場し、五十年の時を経て当時を振り返って語る姿が印象深かった。 彼らの顔は、当…

パステル3

釣具を買いにいく道すがら

パステル2

はからずも、夏休みの絵日記風

パステル

ブラース「チェーホフの肖像」

チェーホフの美男子ぶりに驚いて模写。手もたいそう色気がある。

イリヤ・レーピン「休息」

富士櫻

富士櫻といっても、突貫小僧ではない。

天地の美

富士山 ダーウィンの進化論は模式的でわかりやすい。ゆえに世に広く喧伝されるようになったが、個人的には今西錦司の棲み分け理論の方が思考に滋味ががあり魅力的に感じる。でも、「棲み分け」は、今はあまり評判がよろしくないらしい。 科学理論でも、流行…

ルーベンスの子供の絵

ルーベンスが、自分の娘クララを描いた絵は、作者の対象への愛情が溢れている。絵を見る喜びとは、ひとつは、それを描いているときの作者の心情を追体験するところにあり、この絵は見る人を、作者と同じ幸福な気分に導いてくれる。 ルーベンスの元の絵は、お…

平等院鳳凰堂

平等院 鳳凰堂 三年前に京都に行った時に撮影。屋根の曲線が感動的に美しい。それをフリーハンドで再現できるか、挑戦してみた。・・といっても、再現できるはずはないが、それでもある種の快感がある。国風建築の曲線の美しさは眼力の伝統であり、感動の伝…

鉛筆画

えんぴつが好き。匂いも書き味も性に合っている。この絵はルノアールの原画に少しも似ていないが、ただひたすらに女の子はかわいく、お母さんはやさしげに見えるように描いた。ルノアールは、裸婦の絵は皮膚に触りたくなったら完成だ、みたいなことを言った…

牛と肉の間

レンブラント「屠殺された牛」 食べる前に料理の写真を撮るとまずくなる気がする。おそらく、写真を撮ると「食べ物」がたんなる「物」に見えてきてしまうからだろう。 この現象は結構深刻で、例えば焼き魚は写真にとるとたんなる魚の焼死体に見えてきてしま…

変容の歴史と、受容の伝統

「農耕牧畜社会」では、生態系の頂上に人間がいるからさらにその上の存在を規定する一神教的なマインドが生まれたが、「狩猟採集社会」では、人間より能力や生存力の高い動物や植物が沢山とり巻いているせいで多神教的なマインドが醸成されたという中井久夫…

言葉の異郷

小林秀雄の著作を読み返していると金言が至るところに見つかって、しみじみと面白い。特に、若さゆえの力みがとれて、かといって老境の晦渋さにも入っていない、四五十代の頃のものが、論理に張りがあり、展開に美しさがあり、表現に詩的風韻があって、良い…

大樹が滅びる時

東証1部の衣料品大手「レナウン」(東京・江東区)は15日、民事再生手続きを開始すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、主要取引先だった大手百貨店が休業となり、大きな打撃を受けた。負債総額は138億7900万円。帝国データバンク…

安倍晋三の「我が闘争」

今政府の国民への財政出動の動きも金額もしょぼいのは、お金を渡したくないからということもあるが、平時に無駄遣いをしすぎて資源がないから、である。平時の政府の悪辣・放縦を見逃していると非常時に被害を被るのはいつも国民だ。 「非常時なんだからいく…

多摩川 

結構大きな魚がいる。はっきりと魚影が見える。釣りの趣味にするのは永年のあこがれだが、なんとなく踏み出せずにいる。 夕方になると、釣り人たちがテトラポットに集まってくる。ここが釣り場になっているらしい。大人でも細心の注意を要する足場だが、そこ…

流鏑馬(やぶさめ)

乗る人は馬の気持ちになってみて。

共同幻想が崩れるとき

王権VSブルジョアジーの市民革命を経たあとの第2波として、資本家VS労働者の「階級闘争」が始まるのだが、この動きが共産主義国の没落で潰えたのが、結果的に「庶民を守る」哲学がキリスト教的博愛思想以外どこにもない現代に、繋がっている。 キリスト教的…

あやうい籠城戦

熊本市のキャンペーンポスター 熊本市が外出の自粛を「籠城」に例えたことに、個人的にはとても不吉な印象を持った。歴史上、籠城戦は戦況逼迫した局面で追い込まれる、やむにやまれぬ時間稼ぎのための最終手段であり、実際、成功したためしがないからである…

露呈したAIの限界

ひところは「AIが人間の仕事をすべてが奪って(代わってくれて、ともいう)暇になった人間はベーシックインカムで無為に(遊んで、ともいう)暮らす社会が現出する」説がまことしやかに囁かれていたが、それがいかに能天気な空想だったかを、このコロナ禍で…

一番恐ろしいこと

「一番恐ろしいのは、通貨に対する信頼が失われることだ。これが、これから多くの新興国でそれが起こるだろう。しかし、決して日本で起こしてはならない。日銀は、株価を支持するのでなく、円の価値を守ることに全力をあげてほしい。」これは野口悠紀雄さん…

レーピン「レフ・トルストイの肖像」

イリヤ・レーピン 「レフ・トルストイの肖像」 2013年に東急bunkamuraでのイリヤ・レーピンの企画展で購入したカタログを眺めていて無性にマネしたくなった。レーピンは間違いなく絵画史上に輝く世界最高の画家の一人だが、ルネッサンス期の画家や、印象派の…

コロナ洪水

ノアの方舟 コロナで全世界の9割の人間が感染か経済的理由で死滅し、1割の富裕層や権力者がノアの方舟的な生き残り方をするが、手元に残ったのがお札の紙切れだけでものの役にもたたず、その層も時間差で溶けてなくなる、というのが最悪最低のシナリオで、…

租・庸・調

ついひと月ぐらい前は、AIが人間の仕事を全部奪って人間はすることがなくなるのでベーシックインカムがどうたら・・と議論をしていたが、そのベーシックインカムの必要性がこんな形で訪れるとは。 とりあえず、今は、現金の給付が急務であることは間違いない…

ある神社の手水舎

今年1月の剣道の稽古始めの朝に、たくさんの子供たちとここで手水をとり、本殿に参拝した。ついこの間なのだが、遠い昔のようだ。

アフター・コロナ

新型コロナウイルスは百年前なら武漢の風土病で終わっていたはずで、そうはならずにこれほど世界に蔓延したのは経済活動のグローバル化に主因があるが、その結果、国々や地域や個々人の活動が細かく分断され、高いバリアーが築き上げられていくのは、一種の…

不要不急とは何か

新型コロナウイルス下で、「不要不急の外出は避けるように」と上下が叫んでいるが、人生において、真に何が必要で、何が急ぎなのか、など、容易にわかるものではない。 必要だと思っていたものがまるで要らなかったり、不要だと思っていたものが、意外に必要…